一時期、山に入って岩や植物を描いていましたが、宇治川近くの木やグランドは以前からよく描いてきたモチーフです。すぐ近くを走る鉄道もそんな頃からずっと気になっていたにもかかわらず後回しになっていました。
そもそもはじめからここを描こうとおもって来たのではなく、今年の日展出品作のための取材に来ていたときのことです。日も暮れかかり、そろそろ帰ろうかと道具を片付けていると、白く四角い箱がふたつ、ふと目にとまりました。よく見ると線路の向こう側にもひとつ小さめの箱がありました。
「むちゃくちゃかわいいなあ」
以前から気になっていたのはこいつだったんだ!
すぐに1枚写生しましたが全くダメでした。
むくげを描きました。
車を運転しているときにふと目にとまったので、用事を済ませた後その場所へむかいました。30年ほども経つニュータウンの片隅。大きすぎず小さすぎず、荒れ放題ではなくほどよく手が入れられています。野性的というのもいいんですが、とぼけたような表情が好きな私は、ぼおっと突っ立ってるこの木が愛らしくおもえました。
葉が密生する中で、花は白く、好き勝手に咲いているような並んでいるような、整然とせず自然のリズムとでもいえるような適当な感じがいいです。
白い絵の具をペインティングナイフでぎゅぎゅっと押し付けるように描きました。
F8号の画用紙に木炭、鉛筆、水彩絵の具
構成をしたいということと混色の楽しさを知ってほしいという先生の希望を考慮して「コップにジュースを注ぐ」という設定で描くことを提案させてもらいました。
具体的なイメージがあると子どもたちも楽しんでくれるはずです。
子どもたちの元気な作品をご覧いただけるとうれしいです。
構成をしたいということと混色の楽しさを知ってほしいという先生の希望がありました。
構成とはどういうことでしょうか。
きちんと考えると難しいことです。
子どもたちは理解に苦しむことになってしまいます。
でも先生の考えておられることもわからなくはないので「コップにジュースを注ぐ」という設定で描くことを提案させてもらいました。
具体的なイメージがあるとずっとやりやすくなるはずです。
京都文化博物館で開催されています、日本画 きのう 京 あす 展は、前期展示を7月31日で終了しました。8月3日より21日まで後期展示が始まっています。
河に映る空、雲、木。
ゆったりと流れる水のうねりと光。
写生していると、そのどれもがとどまることなく絡みあいその複雑な様相に、自分自身がなにを見ているのかさえ判断できなくなってしまうくらい混乱してしまいます。そのくせ写生の手をゆるめ、ふと見ると河はとても単純にもおもえます。
自分の望む河の表情はこの絵でないことは確かなのですが、いったいどうすればいいのでしょうか。