構成をしたいということと混色の楽しさを知ってほしいという先生の希望がありました。
構成とはどういうことでしょうか。
きちんと考えると難しいことです。
子どもたちは理解に苦しむことになってしまいます。
でも先生の考えておられることもわからなくはないので「コップにジュースを注ぐ」という設定で描くことを提案させてもらいました。
具体的なイメージがあるとずっとやりやすくなるはずです。
まずクレパスでコップを自由に描きます。
大きさ、かたち、色も、数もすべて子どもたちに任せます。
四角や丸の他に三角やハート型のコップ、さくらのコップに車のコップ、くじらや雲もありました。コップを手に持っていたり、氷が入っていたり、コップを一色で描くだけでなく、何色も使って線をつないでコップを描いていました。
コップをたくさん描いたら好きなジュースを入れていきます。
もちろんジュースは絵の具でつくります。
子どもたちが一人ひとり自由に混色できるようにパレット代わりの容器を用意しました。
絵の具は各自好きな色を取っていきます。
まだ子どもたちはどの色とどの色を混ぜたらどんな色になるのか想像がつきません。赤と黄色を混ぜたら何色になるかな?と問いかけたら「オレンジ!」と答えは返ってきますが、オレンジと緑は?となると答えはバラバラです。
実際に自分のパレットで混色をすると色ががらっと変わることに驚き、「オレンジと緑は、お茶になった」などと言ってお友だちに教えたりしていました。
「見て」とパレットを持って来ます。
自分で作った色は自分のオリジナルの色です。自信を持ってこんな色になったと話しかけてくれます。
画面を前に臆することもなく描いています。
たのもしい。
この子も遠いところまで手を伸ばし、しっかり描いています。
大きいコップや小さくかわいいコップがさまざまに並んでいます。
筆先がぎゅっと画面に押し付けられています。
力強く描けています。
画面の中は自由な世界で、どんな形のコップでもいい、どこに描いてもいい、大きくても小さくてもいい。失敗がないことで思いきって描くことができ、その結果、画面構成として見てもおもしろい作品ができたようにおもいます。
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