Yちゃんが私の腕に絵の具を塗らなかった日。

 

Yちゃんは小学1年生の女の子。

お絵描きの日は「行く」と言ってくれるそうです。

すっかり仲良くなったYちゃんと私(侑胤)

 

ある夏の日、Yちゃんに変化がありました。

 

Yちゃんは教室に来るたびに必ず半袖から出ている私の左腕に絵の具を塗ってきます。

私はYちゃんの好きにさせておきます。でもシャツの袖まで塗ったときはしかります。たいした理由はありませんがそういうルールで接しようとおもったからです。Yちゃんはしかられてもまた袖の中から肩近くまで絵の具を塗ろうとします。「あかん!」と私が言うと「ごめんなさい」って謝るのですが、またどんどん塗ってきて、そのくり返しです。

 

 Yちゃんが来る日の私のシャツはいつもこれになりました。

 

Yちゃんは緑が好きです。

青も好き。

色がパレットいっぱいにひろがります。

描くとなったら一気に画面に向かっていきます。

 

よく私の顔を描いてくれます。

 

そんなYちゃんがこの日は私の腕に絵の具を塗ることはありませんでした。 

なぜだか理由はわかりません。

Yちゃんの成長なのかともおもいましたが、次ぎに来たときにはまた塗ってきましたから、そう単純に考えるわけにもいきません。

塗らなくていい気分だったのでしょうが、塗られるものとばかりおもっていた私は拍子抜けでした。