20年近く前、京都芸大の入試(描写)でパイナップル1個が出題されたことがあります。
立てて描くことという条件がついていたように記憶しています。
京芸をめざす高2の彼女はこのところ力をつけてきたようなので、力試しにパイナップルを描いてもらいました。
葉っぱのあたりはまだ曖昧さが気になるのですが、実の部分はかなりいい感じに描けました。
さて、このようなモチーフにはどう立ち向かえばいいのでしょう。
基本的な姿勢としては、見えたものは全部描くという心構えで臨むことです。
慣れないうちは近視眼的な絵になってもかまいませんから、気にせず部分をしっかり描き進めていってください。ただし、ものの中心部から描き始めることを守ることがポイントです。けっして、ものの上からとか左からといったような描き方にならないことです。
立体感、空間感を表現するためにも大切なことです。
そうしているうちに、おおよその成り立ちが見えてくるはずです。そして、その小さな部分がどのような規則性をもっているのかに着目できるようになればたいしたものです。
量感を出そうとして大きなタッチばかりで攻めると結局何を描いてもただの固まりにしか成り得ませんので、わかってくるまではちょっと我慢が必要です。
「アザラシの顔に見えてきた」と作者が言いました。
実の皮、ひとつひとつのことです。
彼女の中では、健康なのとそうでないのとがあるようです。
私は親鳥に餌をおねだりしているツバメのヒナに見えてきて、つばめのツーちゃんを思い出しました。
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