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お父さんのお顔を描くといっても年中さんの子らに肖像画を描かせようというものではありません。
子どもたちが想いおもいに伸び伸びと描いてくれるような進め方で臨みたいと思います。
今回は水彩絵の具だけで描いていきました。
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人の顔を描くというのは似させようとおもえばおもうほど難しくなってしまいます。
どのように進めれば子どもたち自身の作品が描けるのでしょうか。
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お顔を描くのに輪郭線ではなく、顔の中心である鼻から描くことを勧めています。内へ向うのではなく外へ広げていく描き方です。
輪郭線を先に描く場合、輪郭線の内側に目や鼻などを描き込んでいくことになり、閉じた描き方といえるでしょう。
輪郭線の次に多くの子が目を描くでしょう。すると残ったスペースに合わせて鼻や口を描かざるをえないということになります。限られたスペースを無意識のうちに意識しなければならなくなり、子どもたちが失敗したと思いこんでしまう機会を増やしてしまうことになるのです。
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絵を描くことは、空間関係、位置関係を把握するトレーニングでもあるはずです。画面の中心と顔の中心をシンクロさせることは、位置関係を照らし合わせることにほかなりません。福笑いが笑えるのは、それぞれ顔の各パーツの形が正しくても位置関係が狂っているからであって、ここにプロポーションの大切さを感じてもらえるのではないでしょうか。鼻から描きだす方法は、目や鼻などの形にとらわれすぎるのではなく、位置関係を大事にして描き進めることができる方法だといえるのです。
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絵の具を混ぜきって遊ぶこともなく、簡単なパレットでも混色に注意しながら自分の色をつくろうとしています。
年少さんのときぬたくりなどをして十分遊んだので、絵の具を道具として使うことができているのでしょう。
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顔の色は「肌色」というような決めつけはしません。
子どもたち一人ひとりが感じ、色をつくり、判断しながら描いています。
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つくった色が違うとおもったらまた次の色を混色してみる。そしてまた工夫をする。試行錯誤の繰り返しになるかもしれませんが、それが子どもの感性を刺激し、単純な色だけでなく複雑な色の美しさにも気づくことになるでしょう。
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